日産 ローレル(昭和61年式)

☑︎グレード:メダリスト
☑︎年式:昭和61年
☑︎走行距離:64,000㎞

愛車ストーリー
── 父に憧れて、ローレルに乗った。それは、人生で一番いい選択だった。

昭和61年式、日産 ローレル メダリスト
この車に初めて乗ったのは、助手席でした。
当時まだ小学生だった僕は、父がハンドルを握るこの車の姿に、ただただ憧れていました。

グレーのスーツを着て仕事に向かう父。
ローレルの運転席に座ると、急に大人びて見えた。
ウッド調のパネル、厚みのあるシート、静かに唸る直6エンジン。
子どもながらに、「これは特別な車なんだ」と感じていたのを覚えています。

時は流れ、自分が免許を取り、家族を持つようになった頃。
偶然ネットで当時とまったく同じ型のローレル メダリストを見つけたんです。
走行距離が短く、内外装はしっかりと手入れされていて、即決しました。

エンジンをかけた瞬間に蘇った、あの頃の記憶。
「父さん、元気だったかな」と自然に思い出が浮かんできました。

それから10年以上。
週末のドライブ、子どもの送り迎え、たまの帰省。
ローレルはいつも僕と家族を乗せて、静かに、力強く走ってくれました。

でも、最近はさすがに部品の入手も難しくなり、
整備に時間もお金もかかるようになってきました。
「いつかは、きちんと次のオーナーに渡してあげたい」
そんな気持ちが芽生え始めていた頃、クラシックカー・バイヤーズさんを見つけました。

「年式や走行距離だけじゃなく、この車をどう乗ってきたかを大事にしています。」
そう言ってくれた担当の方に、正直、グッときました。

査定も丁寧で、細かい部分までしっかり見てくれた上に、
**「この型のローレルを探してる人は意外と多いんですよ」**と、
価値をちゃんと評価してくれたのが嬉しかった。

ただの古い車じゃない。
“父から受け取った記憶”を、大切に乗り継いできた証を、分かってくれる人がいたことに安心しました。

ローレルを手放すことは寂しかったけれど、
それ以上に、「次の誰かの思い出になっていく」と思えたことで、
少し誇らしい気持ちになれたんです。